195人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ…うん、迷宮(ココ)では無理だね。虹は光で生まれるから」
苦笑いして力なく「仕方ないね」と肩を竦める螢に、パオルは複雑になる
光の産物
再び窓の外を向いてしまった螢の背を見つめて、ため息を吐く
「そ!(コレばっかりはなぁー…望まれても叶えるのはちょっと…否、かなり難しいかもしんない……)欲しい物なんて聞くんじゃなかった…」
つい洩らした本音に、螢は振り返った
「何か言った?」
無意識の台詞だっただけに、無防備を曝け出していた所への攻撃(笑)
「ッ…な、何でもナイよ!気にしないで!(何言っているんだ?!ボクはッ!!)」
聞かれて、思わず自分の言動を自覚し、動揺は隠せない。口を手で塞いで、首が取れんばかりに振ってその場は何とかはぐらかしたが、明らかな挙動不審だ
顔を真っ赤にしているパオルに、螢は茫然と見つめた
(珍しい。パオルが慌ててる、どうしたのかな?)
(これじゃ只の人間だっ!!)
なぜ自分が螢の願いを叶えてやれなかった事が悔やまれるのか、理解できなかった
…――こんな感情は知らない
最初のコメントを投稿しよう!