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「……それでは」
そう言って彼は、気まずいと言った顔を隠し、あくまでもこれで話は終わりですよといった顔を作り上げる。
「……窓……」
そんなヒロシに向け、俺は小さく呟く。
確かに俺にも過失はあるよ?
殴れば窓は割れなかった訳だ。でも、約束破ったじゃんヒロシ。
俺は下から舐めるようにヒロシへ目を向ける。
「あっ!! なんだあれ!!」
突如叫ぶヒロシ。彼は俺の後ろを指差していた。
あの行為って人の真相心理に働きかけるよね?
わかりきってる事なのに向いちゃうもんね。後ろをさ。
勿論。何もなかったよ。
視線を戻した先にも……な。
逃げやがったなあの野郎……!!
仕方ない……窓は段ボールでもっ……?
割れて……無い?
一体何が起きた……
俺はこの数時間のやり取りで毒された頭で、“そう言う仕様”だと無理矢理自身を納得させ、また眠りについた。
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