第一章 ~隣の部屋の住人~

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「……それでは」 そう言って彼は、気まずいと言った顔を隠し、あくまでもこれで話は終わりですよといった顔を作り上げる。 「……窓……」 そんなヒロシに向け、俺は小さく呟く。 確かに俺にも過失はあるよ? 殴れば窓は割れなかった訳だ。でも、約束破ったじゃんヒロシ。 俺は下から舐めるようにヒロシへ目を向ける。 「あっ!! なんだあれ!!」 突如叫ぶヒロシ。彼は俺の後ろを指差していた。 あの行為って人の真相心理に働きかけるよね? わかりきってる事なのに向いちゃうもんね。後ろをさ。 勿論。何もなかったよ。 視線を戻した先にも……な。 逃げやがったなあの野郎……!! 仕方ない……窓は段ボールでもっ……? 割れて……無い? 一体何が起きた…… 俺はこの数時間のやり取りで毒された頭で、“そう言う仕様”だと無理矢理自身を納得させ、また眠りについた。
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