第二章 ~旅立ち~

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「うっぎょぇぇぇえぁぁぁぁぁああ!!!!!」 またこの叫び声か。てか若干変わった? いい加減に……しろっ!!!!!!!!! 同時に壁を殴りつける。その時発生した音は確実に向こうの部屋に響く。 しばらくするとノックの音が聞こえてきた。 俺は『奴』だと思いながら玄関に向かい、おもむろにドアを開くとそのまま怒鳴り付けた。 「お前なぁ……いい加減にしろって何回言った!!? しかも城に乗り込むん……じゃ……無かったんで……あっ……えと……どちら様で……?」 目の前に立っている見たことの無い人型の魔物。 見た感じ、『これぞ魔王』みたいな…… めっちゃ怖いんですけど…… もしかして……殺られる? 「酷いですねぇ? 私ですよ」 聞き覚えのある声が俺の耳を打つ…… 「まさかと思いますが……ヒロシ……さん?」 その問いに彼は「他に誰がいるんですか」と肩で息をついた。 見た目の恐ろしさっ……てか神々しさ……? とにかく気圧されてしまい思わず口調が敬語になる。 この一週間ちょいでヒロシにいったい何があったんだ……? 部屋にこもってただけ……だよな……その筈だ。
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