第二章 ~旅立ち~

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「いやっ、あの……ホントにヒロシ……さん? だとしたらいったい何が有ったんですか?」 素朴な疑問。一週間ちょい前はヒョロヒョロしていた。見た目の印象はただのいじめられっ子。 所謂一般ピーポーだったし。 ところが今はどうだ。筋骨隆々。頭から角なんて生やしちゃって。 しかも魔王なのにイケメンとか……もっと魔物らしくしろって。 でもどっか怖いんだからなぁ…… 背中からは計四枚の翼が生えている。 ドラゴンっぽい黒翼が一対と天使の様な白銀翼が一対。それぞれが左右に重なりあうようにそこにあった。 「強そうでしょう! かなり頑張ったんですよ!! レベル上げ!」 「レベル……上げ……?」 レベル上げたら魔物ってこうなるんだ…… ゲーム見たいに“進化した”的な感じ? かなり強そうだしそれなりに高いんだろうなぁ…… 「レベルですか? そうですね……相当頑張りましたからね。今でレベル5ですよ!!」 胸を張るヒロシの顔面に小気味良い音を立て突き刺さる拳。 「うぎょええええぇぇぇぇえええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 お前……案外良い声で鳴くじゃないか。 そのままヒロシは気を失い、玄関先に仰向けに倒れる。 あっ、となりの山田さんヒロシのこと跨いで行った!! はぁ……仕方ないし部屋にいれるか……
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