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「見事な考察ですな。……じゃねぇよ! お前人のノリ突っ込み誉めてる場合じゃないからね!? レベル5でしょうが!? 俺3だぞ? 格下に一撃で沈められて恥ずかしくないのかよ!?」
俺が声を荒げ告げると、彼は一通りの口上か済むと同時に「恥ずかちぃ……」と両の掌を頬に当て身を捩らせた。
キモい……何様だこいつ?
殴る気さえも失せる……
あっでもこいつ沈めりゃレベル上がるのかなぁ……?
「なぁ……試しにもう一発――」
「――仲間でレベル上げるのは反則ですよ? 前回のはまぁ……多目に見てあげますけどね? 因みにレベルではなく、レヴェルが正しい発音ですよ?」
頬に当てていた手を下ろし右手の人指し指を立て、口の前で左右に揺らしながらヒロシは呟く。
いきなりなんだこいつ大分斜め上から来たな……発音とかどうでも良いし。てかさっきまでこいつもレベル言ってたし。
本当何様だよ。
「じゃあ、いい加減じゃれてないで行きましょうか。早く発たないとズルズル先送りになっちゃいますし」
おもむろにそう告げると彼は立ち上がり玄関へ向かう。
慌てて俺も壁に掛けてあったジャケットを羽織り、彼の後に続いた。
……発たないと……?
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