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その後、幾ら待っても航空券を買いに行こうとしないヒロシに、再度早く行けと言うと、俺のセリフを聞き、待ってましたと言わんばかりの速度で右手を俺に向け出してきた。
まさか……なぁ。
「……何してはるんですか? ヒロシはん」
「お金。今私無一文ですし。」
ニコニコしながら言いやがって……ってか京言葉に突っ込めや。
「俺の金が目当て……?」
「はい! 当たり前じゃないですか!」
即答ですかそうですか。
さすがに切れました。
「即答してんじゃ――」
かつての学生の頃……俺はこの足で頂点に立った。ヤンチャだったあの頃……俺は金色の足を持つ男として恐れられていた。
天高く振り上げた足……それが日の光を遮り、金の光を散らす。
「――ねぇぇぇぇええっ!!!」
「――やめっ――」
振り上げられた足は、光を纏い勢いよく振り落とされる。
それはヒロシの鎖骨にヒットし鈍い音をあげた。
「――ぎゃひいいいいいぃぃぃぃいい!!!!!」
サンライト踵落とし……久しぶりにやったら跨が“ピキッ”って言って痛かった。
軽い気持ちでやった。後悔はしていない。
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