第二章 ~旅立ち~

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その後、幾ら待っても航空券を買いに行こうとしないヒロシに、再度早く行けと言うと、俺のセリフを聞き、待ってましたと言わんばかりの速度で右手を俺に向け出してきた。 まさか……なぁ。 「……何してはるんですか? ヒロシはん」 「お金。今私無一文ですし。」 ニコニコしながら言いやがって……ってか京言葉に突っ込めや。 「俺の金が目当て……?」 「はい! 当たり前じゃないですか!」 即答ですかそうですか。 さすがに切れました。 「即答してんじゃ――」 かつての学生の頃……俺はこの足で頂点に立った。ヤンチャだったあの頃……俺は金色の足を持つ男として恐れられていた。 天高く振り上げた足……それが日の光を遮り、金の光を散らす。 「――ねぇぇぇぇええっ!!!」 「――やめっ――」 振り上げられた足は、光を纏い勢いよく振り落とされる。 それはヒロシの鎖骨にヒットし鈍い音をあげた。 「――ぎゃひいいいいいぃぃぃぃいい!!!!!」 サンライト踵落とし……久しぶりにやったら跨が“ピキッ”って言って痛かった。 軽い気持ちでやった。後悔はしていない。
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