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ラウンジから見える景色……
俺は夕食を済ませシャワーを浴び、グラスに注いだワインを一口含む。
スイートルームっていいなぁ……
ヒロシもいないし最高だ。
と言うのもあの後――
「――……2名様ですね? はい……では444号室になります」
うっわ不吉な……
「……ってかお前なんでいんの?」
「何でとかどうでも良いですよ。私が気が付いたときには筋肉だるまに埋められかけ――」
――ん? 向こうから筋肉ボーイが修羅の形相で駆け寄ってきたぞ?
「あの魔物めぇ……逃げ出した挙げ句神聖なロビーに足を……!!?」
やっべ……キレてらぁ……
この場を切り抜ける為に、俺はヒロシの顔面に向けて予備動作もないまま拳を放つ。
しかし、そのフック気味に繰り出された威力無い拳をヒロシはスウェーバックでかわす。
だが、その後ヒロシは小気味良い声を出して地に沈む。
甘いなヒロシよ……
予備動作は今の一発目の拳だ……
俺はパンチの勢いをそのまま利用し旋回すると、ヒロシの顎に裏拳をクリーンヒットさせたのだ。
ロビーに倒れるヒロシ。
まるで潰れた蛙だな……みっともない。
「これ捨てといて下さい」
俺は蛙と化したヒロシを指差し修羅と化したボーイへ告げる。
「かしこまりました。ご協力ありがとうございます」
そう言うとボーイは、おもむろにヒロシの角を掴み、ずるずるとどこかへ引きずっていった……――
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