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彼の名前はヒロシ。
歳は36。
職業は魔王、今はフリーター。
住まいは満月荘206号室。
だが、二月程前まではここから数分の所にある城に住んでいたらしい。
なんだかわからないが、城を奪い返すまで、とりあえずこのアパートに住んでいるとの事。
因みに先祖は数ある勇者の相手をしてきた魔王達。
しかし時代が時代……科学が発展し、魔物達は衰退した。
今ではペットとして飼われたり、人間と一緒に働いている者までいる。
現に俺の職場にも魔物はいるし……
こいつはその魔物達の総指揮をとっていた……
にわかには信じがたいがそう言うことらしい。
「ホントにお前が魔物の王なのか?」
「はい……」
俺の問いに対し、俯きながらヒロシが頷く。てか俯きながら頷くなよ……
つむじ丸見えだ。
「じゃあ何でこんな所に居んの」
「城を奪われました……」
何を言うかと思えば……
「お前なぁ……魔王なら力使えば良いだろ!? 城に帰りたいなら自分で奪いかえせやゴルァ!!」
「おっ怒んないで下さいよ私はご先祖様や両親と違って力はないんですだからぁ。それに貴方にはまだ協力を要請してませんしぃ」
うわぁ……また息継ぎ無しだぁ……
呆れて声も出ない……
こいつが魔王だなんて………誰が信じるんだよ……
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