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俺は、天才なんかじゃない。
これは俺の本心だ。
なぜなら俺は、みんなとは違う。
俺は、超能力者だからだ。
身体能力が他人よりもと高いのは、まぁ多少はそういった面もあるだろうが、しかし昔から続けているトレーニングのお陰だ。
飲込みが早いのも、在る意味でそうならなければ生き残れないような場面が幾つもあったから。
初めてするスポーツでもだいたいのコツを掴むのは早いつもりはあるが、それはたかがしれてるんだが他人から見れば凄いのかもしれない。
でも、それは違う。
みんな努力をすれば、それこそ浜田のようになれる。
俺のようにもたぶんなれる。
俺は三年前まで、ただの凡人だった。
小三から今までにかけて俺は死ぬ気で体を鍛えたから、今のような身体能力が備わっているだけだ。
浜田はたぶん、それ以前から己に厳しくトレーニングを積んでいたのだろう。
そんなことを考えながら俺はゆっくりと帰路をたどっていると、正面にフードを被った人間が立ち止まっていることに気がついた。
俺はそいつの2メートル前で足を止める。
・・ ・・・・・・・
ああ、懐かしい感覚だ。
俺は三年前の光景を一瞬だけ思い出し、そしてすぐにその記憶を閉じる。
いつか、またこんな日がくるんじゃないかという予感は、あった。
そう、この感覚は。
俺が待ち望んだ世界だった。
気づけば俺は、すでに臨戦態勢を取っていた。
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