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「え…梨央ちゃんマジで言ってる?それ…」
大マジだっつーの!貴方のその一言で私がどれだけ悩んだ事か…!
「その話してる時俺めっちゃ梨央ちゃん見てたじゃん。アピッてたの気付かなかった?」
……………………え。
「気付いてなかったみたいね…」
「気付くわけないじゃないですか!女の子らしさなんて皆無の私が!そんな事に!!」
「梨央ちゃん女の子らしいじゃん。資料室で人知れず泣いたり…」
「わー!!わー!!ダメですよソレ!他の人に言っちゃ!」
危ないよこの人!ドSだから!!
「俺の恋人になってくれたら内緒にしてあげる」
両腕を掴まれて、顔を近付けられて言われた。
心臓が口から出そう…!
「…そんなの、イエスって答えるしかないじゃないですか…」
こんな言い方しか出来なくてごめんなさい…
でも貴方を好きな気持ちに偽りはないから…
「よっしゃよっしゃ。じゃあ帰ろうかー」
仲村さんは満足げにニンマリ顔だ。
「付き合って…後悔しないで下さいね」
「しないよ。俺梨央ちゃん好きだもーん」
「………私だって」
仲村さんに聞こえないように呟いた。
望みのない恋だと思ってた。
でも、もしかしたら…この世にそんな恋はないのかもしれないね?
<望みのない恋:完>
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