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(……明るい…)
目を開くと、部屋のドアが開いていて白衣姿の男達が微かな光に照らされて立っていた。
どうやら光は廊下にある階段の上の階から差しているらしい。
本当に微かな光だが、暗闇に慣れた僕の目にはそれさえ眩しく感じて無意識に目を覆った。
男の一人が口を開く。
「出ろ。No.0056」
ああ、この言葉を聞くのも何回目だろう?
もう数える事さえ放棄してしまった。
僕は無言で足に嵌められた枷に目をやる。
「外してやれ」
男が言うと横に立っていた他の男が僕に近付いてきて枷を外し始める。
その姿を見ながら、僕はこれから起こるであろう『いつも通り』の出来事を思って心の中でため息を吐いた。
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