45人が本棚に入れています
本棚に追加
同時刻
山間に伸びる一本の道路を
まだ朝日が昇らない暗い早朝
一人の少女が歩く…
だが
「なぁ!そこの彼女~
こんな朝っぱらから一人?」
「……」
少女の真横を
並走する様に車が速度を下げる
その車内には
青年が二人乗っていたが
そのうちの一人が声をかける
「ねぇ寒くないの?
家どこ?送ってあげるよ~」
「……」
少女は1月だと言うのに
薄い寝着しかも裸足で
道路のアスファルトの上を
歩いていた
「なぁ!ヤバイって
見るからに幽霊じゃねぇ?」
「あぁ?
もうそろそろ朝だぜ?
それに、ここら辺で
幽霊なんて聞いた事ないぞ」
車内で青年二人が
少女の異様な服装に疑問を持ち
口論するが少女は無視して
さらに歩く
その少女は
漆黒のまっすぐな長い髪と
白く淡雪の肌で
見た目が日本人形の様だ
しかし
その瞳は、真紅の瞳だった
「そんな寝着じゃ風邪ひくから
乗りなって!」
「……」
さらに無視して歩き続けると
少女の数メートル先で
青年二人を乗せた車が止まる
最初のコメントを投稿しよう!