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「近藤さんに
面白い報せがあって…
今、会津藩松平様の下屋敷から
来たんですよ」
「ほぅ…
俺は興味無いから関係ないな」
背の高い刀を担ぐ男は
そう言うと永倉を置いて
屋敷の奥へ入って行こうとする
と、慌てて
「ちょ、、待って下さいよ!
近藤さんは居るんですか!?」
「あぁ
裏の道場の方に居ると思うから
勝手に行きな」
「……」
また、ずいぶん無愛想に
さっさと屋敷に入ってしまった
背の高い男を
無言で見送った永倉だったが
勝手に入れと言われたから
何も言わず
指示された裏の道場へと
足を向ける
「まったく…
館長が無愛想なら
門下生も無愛想だな…」
少しだけ愚痴は出たが
剣士には色々な人間が居る事を
永倉は心得ていたので
腹は立たなかった
指示された道場は
屋敷のすぐ裏にあって
とても大きな
古くない良く手入れされた
道場だった
「ふむ…
勝手に入れと言われたのだから
入って良いよな」
敷居を跨ぎ
道場の中に入ると
あまりに静かなので
誰も居ないのかと思ったが
「あ、近藤さん…?」
道場内の中央に
畳が一枚立て掛けてあり
その前に名刀『虎徹』を持つ
剣士が一人立つ
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