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厳めしい顔の近藤は
さらに厳しい顔をしたが
「京都か…
俺は、試衛館だけに
居るつもりなど全くない
これは好機かもしれないな」
「でしょう!
近藤さんなら話しに乗ると
思ってたんですよ!!」
ニコッと微笑みながら
嬉しそうに話す永倉は
報せを持ってきて良かったと
思っていた、、が
「館長!
私は反対です!」
「ん?」
道場の奥の
屋敷へと通じる扉から
綺麗に整った顔をした青年が
道場着姿で入ってきた
「やあ!総司
君も京都へ行かないか?」
「行きませんよ
だいたい、永倉さんは
いつも変な誘いばかりじゃ
ないですか!」
「変なって…失礼だなぁ」
総司と呼ばれた青年は、先ほど
近藤が居合いで斬った畳を
片付けながら
永倉に文句を言いう
「だが、考えてみなって
試衛館の皆も京都へ行くなら
試衛館の塾頭である沖田総司も
行くべきではないかなぁ?」
「……うぅ」
来年二十になる沖田総司は
綺麗な顔を歪ませて困り
試衛館の館長、近藤を見たが
「総司の好きなようにしろ
無理に着いて来いとは
言わんよ」
「……うぅ」
結局、
判断は自分でする他なかった
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