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『プルルルル…
プルルルル…プルル…』
まだ
午前4時ちょっと過ぎなのに
ベッドの側にある携帯電話が
激しい着信音を鳴らす
「あぁもぅ…
はいはぃ…誰よ」
短い髪がグシャグシャな女性が
毛布の中から面倒くさそうに
携帯電話をつかみ
眠気でウトウトし
あくびをしながら力無く喋る
「ふぁあ~ぁ
おはよぅ…ございまふぅ…」
「おはよう!
サチ、朝早く悪いが
今日の予定は変更で
京都に行ってくれないか?」
「えぇ~」
電話の相手は中年のおじさん
そのおじさんに
『サチ』と呼ばれた女性は
毛布から出てベッドに座り
短い髪を掻きながら
自分の部屋の暖房をつけた
「えぇ~…じゃない!!
取材だから仕方ないだろ!
とにかく
今から社に出勤するように!」
「京都って…編集長~
何の取材ですかぁ?」
サチは嫌そうな顔をしたが
それでも
適当に温かそうな冬着を
クローゼットから出して
暖房の真ん前で
話しながら暖をとる
「今回は…
サチが好きな新撰組だ!」
「ホントに!!
あたしにやらせてくれるの!?」
電話の相手
おじさん編集長の言葉に
サチの眠気は一瞬で吹っ飛んだ
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