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「理由も解らないが
取材対象が居なくなったから
新しく特集を組む
新撰組を取材してこい!」
「はぁ…
行ってこいって言われるなら
行きますけど…
確か『篠田やそ』さんって
16歳ですよね?」
サチは勝手に
編集長の机の資料を物色して
一枚の写真を引っ張り出す
その写真には
目を包帯で巻かれ、髪が長く
肌が透き通るように白い
まるで日本人形の様な美少女が
写っている
「こんな綺麗な子が一人って
なんか心配ですね…」
「それもそうだが、
『篠田やそ』…か
ずいぶん凄い名前じゃないか」
「凄い??」
その名前の何が凄いのか
まるで編集長の
言葉の意味が解らないサチは
深く悩んだが
やっぱり解らない
「あぁ、それと
試衛館の資料も読んでおけよ」
「……?試衛館??」
さらにまた
解らない単語が出て来たので
混乱し始めるが
そんなサチに
一々説明する時間もない編集長
「資料はお前の席に置いてある
あと、京都行きのチケットと
予定表もあるから
時間まで読んでおけ!」
「へぃへぃ」
コーヒーを飲み終わると
編集長は再び積もった原稿に
立ち向かい仕事を始め
サチは自分の席へと戻った
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