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どうやら意味不明な挨拶をしたのは青ジャージを着ている様子からして此処の生徒のようだ。
「太子、それを言うならこんにちは、だろう?」
「うん。まぁそんなとこ。そんな事より…」
その太子と呼ばれた青ジャージの生徒は竹中さんの座っている真前の回転椅子に座り、ベッドに座っているオレの方に向いた。
「君は誰だ?見た事無いけど……」
太子…は訝(いぶか)しげな目でオレをみる。
もしかして、警戒されてる?
「彼は閻魔だ。この学園に入学したいらしくてとりあえず此処に呼んだんだが、何分急だったもんで制服が間に合わなくてな。仕方なく制服なしで此処にいる。」
竹中さんがなんとか嘘の理由を捏造する。
竹中さん、さすが…
その言葉に太子は少し考えていたがすぐに表情を明るくさせて、
「そうだったのか~、なるほどな~」
と嬉しそうに言った。
「閻魔かぁー…苗字はなんていうんだ?」
「苗字?」
苗字か。そういや、そうだな……
「彼の苗字は「竹中さんストップ」
そりゃあないよりある方がいいだろう。
オレのネーミングセンスは凄いんだぞ。
「……冥楽だよ。冥楽閻魔。」
「ほぉ~…変わった苗字だな。まぁ私も人の事言えないけどな」
と彼は笑う。
冥楽か。我ながらナイスネーミングセンス!
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