第2章 -二人の間-

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『りょ-かい ★⌒(●ゝω・)b  明日楽しみだね (ノ∀≦*)』    そんな目がチカチカする内容から始まった長文。そしてそのメールから30分後に着信した『寝ちゃったのかな?』という短文。    その両方を無視して僕は、しかし待ち合わせのコンビニに佇んでいる。    もうすぐ夏になるだけあって日差しは強く、手に持った缶コーヒーがヤケに冷たく感じる。    ともかく、家から10分で来れるコンビニ。そこに20分も早く来て僕は一体何がしたいんだろう? とそう考えてうなだれる。    断らなかっただけでもいい。ここに来ただけでもいい。    そうやってまた呪文みたいな自己暗示みたいな言い訳を初めて、じゃあなんでこんなに早く来てるんだ? 怖いのか? 何がだ? とか自分苛めに変わる。    このままだと自分がダメになる。    そう思いコーヒーを喉に流し込んだ。苦い飲み物は好きじゃないが今だけは美味しいように感じる。人というのは理解しがたい生き物だとシミジミ思うね。    コーヒーの何という成分がこんなにも心を落ち着かせるのだろう? そんな成分があるとは思えないが、暇つぶしに缶に書いてある成分を見始める。    しかし当然そんな成分は発見できず、視線は目の前の歩道を走っている集団に移った。
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