2/4
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
空に太陽は無く 果てしなく続くこの荒野をあたしは飛んでいる 高くも低くも思いのままに見た事の無い景色の中 ここは何処なんだろう 飛んでいる事に違和感は無く風を切る爽快感に身を委ねる 突然広大な空間が目の前に開けあたしは着地した 降り立ったそこは断崖絶壁不毛の地 徒歩で崖淵に進む 目が眩むと言うレベルを遥かに上回る巨大な深淵 あたしを見ているあたしが居る 傍に行きたいが怖くて足がすくむ あたしが躊躇いがちに淵に立ち上がる その広大な空間にあたしが堕ちていく その静かな恐怖が全身を包む 目覚めると時計は何時も3時丁度 胸の鼓動が治まる迄一人震えながら ただの夢だと自分に言い聞かせる 堕ちていく感覚と見つめている感覚が同時進行する 狂い死にしてもおかしく無いくらいに深く果てしない その恐怖が毎夜毎夜訪れるのだ 震えが止まってもあの堕ちて行く感覚が身体にハッキリと染み付いてしまった まるで拷問だ・・・ 頭が痛い・・・ 眠れそうもないか・・・ ━━毎夜堕ちる距離が長くなってる━━ あの崖前に見た事があるような気がする はっきりと思い出せないけど━━
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!