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まずは熱いインスタントのコーヒーを入れてと
コーヒーの香りが幾分気分をリラックスさせてくれた
眠れぬ夜のコーヒー
美味しっ
何かテレビ無いかな
リモコンのスイッチを押した
白く光るノイズ画面がチラチラしている
釦を幾ら押してもチャンネル操作が出来ない
電池切れかな?
蓋を外し電池交換をした
が操作不能
その時不意に誰かの呼び掛ける声が聞こえた
「えっ?」
空耳が聴こえる?
嘘!重症なのかしらん・・・
シャーと耳障りなノイズのせいだ
スイッチを切ろうと手を伸ばしたその時
「佳奈! 早く来て 待ってるから」
今度はハッキリとこの耳に届いた
画面の中に誰か居る
白くチラチラしたノイズの画面からあたしに話し掛けて来た
ご丁寧にも姿付きで
ハハっ・・
遂にここ迄来たか・・・・・
明日病院行かなきゃ駄目みたい・・・・
我ながらかなりの動揺を覚えた
もう一度スイッチに手を伸ばす
「幻なんかじゃ無い!」
「サクだよ!思い出して」
画面の中の彼はそれを最後に姿を消した
いきなりテレビの放送が中継された
あたしの追憶の中に聴き覚えのある名前が浮上する
「サク!」
夢で出会った約束の少年
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