誰も知らない街

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『うぅ…』 心地よい風を体いっぱいに浴びていると、どこからか小さな呻き声のようなものが聞こえてきた。 振り返ると、植木の縁に膝を抱えた…男の子? 茶色い髪に、今時風な服装をしている。 だけど、膝に顔をつけているため、分からない。 どうしたのだろうか? どこか痛い? そう思うのも心の中でだけ。 ほら。 通り過ぎる人たちも、不信そうに思いながらも素通りしている。 みんな関わりたくないんだ。 あたしだって、そう。 他人に関わるために、ここに来たんじゃない。 ちょうどお昼時と言うこともあって、空港内に戻り食事をする事にした。
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