誰も知らない街

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『着きましたよ』 運転手に告げられ、降りてみると、まだ真新しいマンションが立っていた。 目の前には、白い砂浜、青い海。 インターネットで調べただけで、下見にも来なかったけれど、いい所を契約したな… そう思いながら、スーツケースを引き、今日から始まる新生活に胸を踊らせた。 キキィー この場所には似つかわしくない錆びれた音。 思わず振り返ったあたしの目に止まったのは… 『ストーカー?』 『いやっ…ゲホッ 違い…ます…』 肩で息をしながら、自転車を止めた少年だった。
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