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『で?君は何をしてるの?』
どれほど全速力で走ってきたのだろうか…
まぁ。車に追い付くくらいなのだから。
彼の息が整うのを確認して聞いてみた。
『家、そこなんです』
指差した方に視線をずらすと…
…最悪…
隣って…
真新しいマンションの隣に、ひっそりと立っている2階立てのボロアパート。
こんな時、人は運命だとか、偶然と言うのだろうけど…
今のあたしにとっては迷惑極まりない。
自転車を止めながら、何かを話し掛ける彼を無視してマンション内に入った。
はぁ~
目的地である5階に着くまでの間、ため息しか出なかった。
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