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『あの頃よく遊んでくれた両親はすでに私に飽きたようだったわ。そんな中、家族は引越しをする事になったの。荷物は日に日にまとめられていき…ついに引越しの日がやってきたわ。この家にきてから初めて外に出して貰えて嬉しかった。でも女の子は泣いている…私はすぐに気が付いたわ。両親は私をこの土地に残して…つまり捨てて引越すつもりだったのね。女の子は最後まで泣いていて…ずっと手を振ってくれたけど…私は背を向けて歩き出したわ。もう一度…人間を信じたくて…おばあちゃんに会いたくて…!』
昔の記憶をたどりながらようやくこの神社に辿り着いたんだな…。六助は思った。あの日見た七子は…おばあちゃんを探してたんだ。
やっと神社に辿り着いたのに…おばあちゃんがいないなんて…。
哀しい気持ちを押さえながら二匹は姉弟のように寄り添って眠りについた…。
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