~プロローグ ~

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カナカナカナカナ・・・ 夏の夕闇の中、二人の少年が見通しの悪い十字路で車のラジコンで遊んでいる。 ギュイイィィィン! モーターの甲高い回転音が辺りに響いていた。 「イヤッホー!俺が1番だぜ!」 「くそー、なんで圭ちゃんは速いんだよ!」 ひぐらしの鳴き声が耳に心地よく感じられる頃だった ガッタン! 一台のラジコンがスピードを上げすぎ、十字路の真ん中で横転してしまった。 「あーあ、転がっちまった。」 「へっへっへ、スピードを出し過ぎるからだよ、圭ちゃん。」 「ちぇっ、待ってろリベンジだ!」 圭ちゃんと呼ばれた子が周りの安全を確認せず、十字路の真ん中に飛び出した。 プアアァァァン!!! 「えっ・・・うわあぁぁ!!!」 左側から直進してきた運送トラックが急に飛び出した圭ちゃんを見つけ、急ブレーキを踏んだが、 ギヤヤヤャャャャ!!! ガシャーーン・・・ 「け、圭ちゃーん!!!」 .
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