1説

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「おい!待てって」     急いで後を追う俺。     そしてようやく追いつき三人並んで登校する。 これも今ではあたり前のようになってきている。 しばらく歩いていると、時美が最初に口を開いた。 「そういえば希理ちゃん……もう学園にはなれたの?」 「……うん……だいぶなれた……深壱や……時美さんや……クラスのみんなのおかげで……」 「そっか……そう言ってもらえると嬉しいよ」 嬉しそうに喜んでる時美を見みながら、態度では嬉しそうにはしてないが、内心では結構嬉しかった。 最初はいろいろ心配ばかりだったけど、今ではそれもだいぶなくなってきた……後は表情なんかを豊かに出来たらいいのだけど……。 希理は最初に家に来た時は、ほとんど無表情で、喜んでいるのか悲しんでいるのかがよく分からなかった。 たぶん、不安がたくさんあったからなんだと思う。 けど、日がたつにつれてほんの少しずつだけど、表情を変える事があったので、少しずつだけど安心してくれていたのだろうと思った。 今ではだいぶ表情を変えてくれる事が増えてきたので、本当に嬉しかった。
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