1説

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「あ、そうだ……希理!」     「ん?」     俺の呼び掛けに、ゆっくりと希理が横に振り向いてくる。 「今日俺、商店街で買い物があるからさ、先に帰ってていいからな」 「希理も……行く」 「え?でも、家に帰るのが遅くなるぞ、いいのか?」 「うん……深壱と一緒だから……いいの」 「あら、希理ちゃんも言うようになったわねー凄い凄い」 希理の言葉を嬉しがっているのか、時美は何故か拍手をしている。 「いや待てよ、そこってほめるとこなのか?」 時美の言葉にツッコミを入れる俺。 だがその態度を見た時美は、呆れた表情をみせながら。 「はあ~まったく……分かってないわねー深壱は、ニブニブね」 「はあ~、何だよそれ」 俺と時美が話しこんでいると、希理が俺の制服のそでをひっぱりながら呟く。 「深壱……行っても……いいかな……一緒に……」 「え?えっと、その……」 「ほら、ちゃんと言ってあげなさいよ!」 横から時美が言いながらひじでこついてくる……俺は少し恥ずかしそうな顔をしながら……。 「えっと……希理が行きたいなら……一緒に行こうか」
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