6313人が本棚に入れています
本棚に追加
正門を入ってしばらく歩いていると、ふと後ろから誰かの声が聞こえる。
「おーい双蒸院(そうじょういん)君ー希理ちゃーん、それに時美ー」
その声に俺達がゆっくりと後ろを振り向くと、もの凄い勢いでこっちにめがけて走ってきている女の子がいた。
「朝から元気ねーあの子は……」
「まったくどこからあんな元気が来るのやら」
「凄い……」
と三人で言っていると、先ほどの女の子はスピードをゆるめて止まり始めた瞬間、下にあった石につまずき顔面からこけて、そのまま俺達の前まですべってきてピタリと止まった。
しばらくの間、沈黙が続き。
「大丈夫……かな」
希理が女の子の前にしゃがみこんで顔をのぞこうとしている。
「おーい生きてるかー?」
「大丈夫じゃないと思うけど……大丈夫か、未紗(みさ)?」
みんながそれぞれ声をかけていると、がばっと顔を上げたと思ったら、すくっと立ち上がり笑いながら……。
「おはようです双蒸院君、希理ちゃん、時美」
「おはよう……ございます」
「う、うん、おはよう」
「おはよう、だけど大丈夫か未紗、はでにコケたけど」
「うん……ちょと顔中痛いけど、大丈夫だよ」
最初のコメントを投稿しよう!