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「一緒に来いよ、うちで旨いもん食わしてやるからさ!」
「……」
男は笑顔を見せながら、希理と言われる子に右手を差し出してはいるが、だがどういうわけか不思議そうな表情で、ただただ差し出された右手だけを見ていた。
「ほら、とっとと行こうぜ……えっと……希理……だっけ?」
男がそう呼ぶと、希理と言われる子は少し驚いた表情を見せたが、何か安心する事があったのか、ゆっくりと、少し戸惑いながらも右手を差し出してきた。
その手をゆっくりと掴み、希理と言われる子をベンチから立たせる。
そして二人は家路に向かって歩き出した、その途中に男は……。
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