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「おはよう希理……あいかわらず早いな、お前は……」
「深壱が……遅すぎるんだよ」
眠そうにあくびしながら、ゆっくりとベットから降りる俺に、希理はハンガ―にかけてある学園の制服をとって渡した。
「はい、制服……着替えて……早く降りてきて……黒夜(こくよ)さんが……朝ごはん作って待ってるよ」
「はあ~分かったよ……着替えりゃいいんだろ、着替えれば……はあ~まだ寝たいな~」
「寝たらダメだよ……もし寝たら……黒夜さんに起こしてもらうから」
「うっ……分かった、分かりましたから、母さんだけは呼ばないでくれ……朝から死にたくないぞ俺は……」
「だったら……早く降りてきてね……下で……待ってるから」
そう言って希理はゆっくりとトビラを閉めた。
静かになった部屋の中で、一人ポツンと制服を持ったまま何かを考えていた。
ひさしぶりに見た夢……しかも希理と始めてあった日の夢。
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