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「ふわっ……おはよう」
寝むそうに挨拶しながらリビングに入る。
「おはよう……深壱」
「おそようですよ深壱……せっかく希理ちゃんが起こしに来てくれるんだから、ちゃんと起きてあげなさいよ」
「はあ~……別に頼んでないんだけどなー俺……」
文句を言いながらガタンとイスに座る俺にたいし、隣に座っている希理は特に気にする様子もなく、もくもくと食パンにかぶりついているが……それにたいし、俺と希理の正面に座っている母さんは、右手で頬をさわりながら……。
「あらあら……じゃあ明日からはあたしがまた、起こさないといけないかしら」
「……っ!」
その言葉を聞いた途端、俺はビクッと反応し、すぐさま隣に座っている希理の肩に手をおきながら。
「希理……明日からもよろしくお願いします」
深々と頭を下げて頼む俺を見て、希理は不思議そうな表情を見せながら、手のあいた左手を俺の額にあてると。
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