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「おぅ頑張っとるのぅ兄弟」
「よそ見すなやこら!」
ヒロの舎弟が私の腹を殴った。
「効かんのぅ。ヒロを見習えや。所詮ザコはこんなもんかい。」
すると舎弟は顔を真っ赤にし、拳をプルプル震わせている。
「ヒロさん!ワシにこいつとサシでやらしてください。」
するとヒロはビリヤード台に腰をおろした
「まぁええわい、好きにせぇ」
「ほぅなんやワレ、ワシとサシでやるんかい。案外根性あるやんけ、よしほんならかかってこいや。」
私はスタンガンを地面に落とし、ボクサーのように構えた。
「だらぁーー!」
と舎弟が向かってきた瞬間、
「あほが」「あほが」
私とヒロは綺麗にハモった。
その瞬間、私はポケットにしまったナイフを取りだし、そいつの太ももを突き刺した。
「え?」
と言った瞬間、そいつはビリヤード場に響き渡るような大きな悲鳴をあげた。
「アホやのぅ。いつもヒロとおんのに、なんもワシのことしらんのかい。今ナイフはヒロシさんの時代やない。ワシの時代や。」
私は追い打ちをかけるように、太ももに刺さったナイフを掴み、グリグリとねじ込んだ。
すると舎弟は激しい痛みのあまり、気絶してしまった。「おぅヒロ、救急車よんだほうがええんとちがう?可愛い舎弟が血だらけやで」
ヒロはようやくビリヤード台から腰をおろした。
「あとで呼んだるわい。まずワレ始末せんとのぅ。救急車1台じゃ足りんかものぅ」
指の骨をポキポキ鳴らしながらヒロが歩いてくる。
「おぅアキ、なんじゃまだ終わってないんかい」
横をみると、腫れた顔を倍に腫らしたサツがいた。
サツの向こうをみると、ヒロの舎弟の三人がサツよりも無様な顔で倒れている。
「うわぁなんや兄弟もう片付けたんか?」
「おぅ。おい救急車2台でも足らんど、ヒロ」
「兄弟ほんま頼もしいのぅ」
私は兄弟から金属バットをあずかった。
そして、私とサツはヒロを睨み付けた。
「な…なんやねん。おいアキ、ワレはワシとサシでやるんちゃうんかい」
ヒロはもうここまで歩いてきていたのに、まなジリリジリリと後ろに戻っていく。
「お前もわからんやつやのぅ。」
「これがワシらのやり方やんけ」
私とサツはヒロに飛びかかった。
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