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「な…なんやミナちんか。驚いたわ」
「アハハ。ごめんな」
「ほんでどこにおるん?紹介するゆう子は、まだ名前も知らんねん。どこぞに隠れとんのかいのぅ」
と笑っているとミナが私の手を握った
「あーちゃん、私やで」
私は耳をうたがった
「え?なにが?」
「だから、あーちゃんとメールしてたの私やで」
そのとき私の新型のスカウターは壊れた
「なんやねんワレ、騙してたんかい、いくら兄弟のタレやゆうても怒るで」
するとミナは首を大きく横にふっている
「ちゃうてちゃうて、騙してなんかないよ!あんな私初めて逢うた時からあーちゃんの事気になっててん!」
それなら話は別だ。
まったくサツといいミナといい、そうならそうと早くゆうべきである。
「な…なんやほんかい、ミナちんワシんこと好きなんや」
私はさっきまで怒っていた顔をデレデレさせ鼻の下を伸ばしていた。
「あんな、だからサツくんには黙って私と付き合ってほしいねやんか。あかんか?」
まったく大賛成、願ってもないことである。
私はただミナとしたいだけなのだ。
サツはサツでそっちでもよろしくやってくれば、バレない限り私はサツに怒られなくてすむのだから。
「まぁ兄弟の彼女取るみたいでワシはそうゆうの好かんけどな、実はワシもミナちん…いや、ミナのこと気になってたんや、もしミナがほんまによかったら付き合おか」
と私は心にもないことを連発した。
するとミナは顔をりんごのように赤くして
「ありがとう。大好き。あのな、私あーちゃんのこともっと知りたいねん、だからホテルいかへん」
あまりにも展開が早すぎて驚いたが、私にとっては好都合だ。
面倒くさいデートなんぞしなくて、付き合った瞬間ハメハメなのだから。
私はミナの腕をひっぱりホテル街に走った。
走る途中私は空を見上げ
「すまんのぅ兄弟、せやけどこれでほんまもんの兄弟になれるで」
と笑いながらつぶやいた
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