五月病

私が会社に行くのが億劫になったのは、入社して二ヶ月が経った頃だった。
世間では五月病なんて呼ばれているが、これは本当に厄介なモノである。
病院に行ってすぐ直るような類の病気じゃないからだ。

次第に会社に行く足取りは重くなり、ついには行けなくなってしまった。

自分で、一体何が原因であったのか見当もつかないから厄介なのである。

時々掛かってくる電話の音に毎回の様にビク付ながら、今日も薄暗い部屋に一人、じっとして過ごしている。