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彼氏と親友との
楽しい楽しいお昼
………のはずが。
「どうして結城はクラスの(ほとんどの)人達と食べてるわけ?」
「そんなもん、あたしに聞かないでよ」
玉子焼きを頬張りながら机に項垂れるあたし。
あたしの目の前では嘉穂が黙々とお弁当を食べている。
高校に入れば いつも結城と二人でお弁当食べれると思ってたのに。
やっぱり高校でも結城は大人気。
彼女とお弁当なんか食べてくれないの。
ちょっと寂しそうに結城を見る。
しかし結城は気付かない。
そんなにクラス皆との話しが大事なのか?
コノヤロウ。
あたしはため息をついてお弁当を見つめる。
「なんかさ」
「ん?」
「結城はあたしと違って、クラス皆と馴染んでるよね」
「そりゃ、アンタがおとなしいからじゃん」
「だって、声なんかかけれないよ」
あたしは箸を箸箱にしまった。
「ごちそうさま……」
「もういらないの?」
「なんか食欲わかないの」
そう言ってお弁当を直す。
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