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あたしは勢いで振り向いてしまった。
そこにいたのは びっくりしてる結城。
ヤバい。
そう思ってロッカーを閉める。
あたしは結城から顔を逸らして地面を見た。
結城が近づいて来るのがわかる。
後退りしようとしても 後ろにロッカーがあるから出来ない。
ついに目の前に結城が来てしまった。
「どうしたの?」
いつもより声が低い。
これは結城が怒ってる時の声。
「何でもない……」
「嘘だっ!!だって千夏 泣いてるじゃん!!」
「何でも……」
「千夏!!」
あたしは これ以上結城に迷惑をかけたくなくて
笑顔で結城を見た。
「大丈夫!!心配してくれてありがとう」
そう言って教室に入ろうとした。
出来るだけ結城を見ないように。
じゃないと結城に甘えてしまう。
そんな うざい女にはなりたくないから。
すると結城がいきなり後ろから抱きしめてきた。
かなり力を込めて。
「結……城?」
「俺じゃ言えない?」
寂しそうな結城の声。
その声を もう聞きたくなくて
あたしは結城の腕からすり抜けた。
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