美人な先輩

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「大丈夫だよ!ほらっ結城も早く用意しなよ」 あたしは無理矢理 笑顔を作って教室に入った。 こんな事言ったって 結城に迷惑かけるだけだよ。 臆病者。 そう言われたって文句言えない。 結城 弱虫でごめんなさい あたしはその場でノートや教科書を抱えたまま うつむいた。 すると廊下から甲高い声が聞こえてきた。 「結城くんっ!!」 結城の名前を呼ぶ女の子の声。 いつもなら無視するのに 今日に限って廊下を見てしまった。 その光景は あまりにも衝撃的だった。 ショートカットの女の子に抱きつかれている結城。 嫌がる様子もない。 思わず固まってしまった。 「あら?結城くんのお友達?」 女の子があたしを見て首を傾げる。 その言葉に はっ とした。 「どちら様ですか?ι」 「あたし?」 あんたしかいないだろうが。 あたしはおずおずと頷いた。 「あたしは三年の山田美野里(やまだみのり)。 あなたは?」 「あたしは………」 思わず言葉に詰まる。 .
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