美人な先輩

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あたしの名前を言えば またイジメる人が増える。 この学校で あたしの名前を知らない人はいない。 言っていいの? あたしは何も言えずにうつむいた。 そんなあたしを心配したのか結城が声をかけてきた。 「千夏?」 ービクッー 自分の名前なのにビクビクする。 「千夏?」 山田先輩が首を傾げてあたしを見た。 名前……バレちゃった……。 あたしは堅く目をつぶった。 「綾瀬千夏?」 「美野里ちゃん知ってるの?」 結城 山田先輩の事 美野里ちゃん って呼んでるんだ。 そんな些細な事ですら気になってしまう。 なんて嫉妬深いんだろう。 自己嫌悪に陥っていると先輩が急に声をあげた。 「ああっ!千夏ちゃんって結城くんの彼女さんか!!」 え? 嫌味のこもってない言葉に思わず目を開けた。 先輩は笑顔であたしを見ている。 「あたし、結城くんと幼なじみだからよく知ってるんだ!」 「幼なじみ?」 目を丸くしたまま結城を見た。 すると結城は笑顔で頷いた。 幼なじみだから 美野里ちゃん って呼んでるんだ。 全ての謎が解けたようにホットした。 .
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