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そんな時 予鈴が鳴った。
「やばっ!教室帰らなきゃ。
またね!!千夏ちゃん、結城くん」
先輩は手を振って廊下を走って行った。
不思議な人……。
あたしの名前を聞いて怖い顔しなかった人は
山田先輩が初めて。
呆然としていると結城に肩を叩かれた。
「早くしないと授業始まるよ?」
「え?」
あたしは慌てて教科書を持って席に着いた。
そんなあたしを結城は笑いながら見ている。
あ。
そう言えば。
あたしはある事を思い出して結城の方を向いた。
「あのね?結城」
「ん?」
「今日あたし委員会だから先に帰ってていいよ?」
そう言うと結城がいきなり涙目になった。
え!?
あたしキツく言った!?
これでも申し訳ない気持ちでいっぱいだったんだけど!!
あたしは焦って周りをキョロキョロするしかなかった。
「待ってちゃダメなの?」
涙目でそのセリフはいかんだろぉぉおぉぉ!!
あたしは首を思いっきり左右に振った。
そんなあたしの事を見て結城の顔が明るくなっていく。
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