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じーっとあたしを見ている結城。
そしてあたしに言った。
「千夏の事なら迷惑じゃないよ?」
「え?」
「千夏の事考えてるだけで時間たつし」
そう言って微笑んだ結城の顔は
いつもの可愛いとかじゃなくて
めちゃくちゃカッコよかった。
あたしは顔を見てられなくなったので下を向く。
しばらくして授業が始まった。
でもあたしは授業どころじゃなくて
頭には結城の微笑みしかない。
こんなあたしは末期だと思う。
授業が終わってSHRが終わって
あたしは嘉穂と一緒に会議室に来た。
保健委員なんだから保健室ですりゃいいのに。
ちょっと悪態をつきながら指定された座席に座った。
今頃 結城は下駄箱で待ってるのかな?
あたしは窓の外を眺めながら そう思っていた。
「ラブラブだねぇ。お二人様」
そんなあたしの背中から皮肉を嘉穂が言う。
「え?ι」
「待ってるだの迷惑だの
ラブラブすぎるから真剣に聞いた方がいいよ」
「は?」
あたしは意味がわからず先生の言葉に神経を集中させた。
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