美人な先輩

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やばい……。 すっかり遅くなってしまった。 あたしは急いで結城が待つげた箱に行った。 げた箱に着くと結城が玄関入口の扉にもたれて空を見上げていた。 そんな姿を見たら やっぱり好きだなって思う。 いじめられても 結城が側にいてくれたら大丈夫。 一緒にいたいから。 だから頑張ろう。 少しのいじめなら耐えられる。 あたしは小さく「よしっ」と言ってから靴を履き替えに行った。 靴を履き替えていたら昼に聞いた声がした。 「結城くん」 聞きたくない声。 その声の主に結城も返事をする。 「美野里ちゃん」 「何してるの?」 「千夏のこと待ってるんだ」 笑顔で会話する二人。 見たくない。 見たくない 見たくない。 あたしは走って二人の前を通り過ぎた。 その瞬間、誰かに手を掴まれた。 「どうしたの?千夏」 結城だ。 止めてくれた嬉しさと 先輩と話していた悲しさで 自分がよくわからなくなってきた。 .
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