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「バッカじゃねぇの?」
今 あたしの目の前で腕を組んで呆れ顔の男に言われた言葉にうなだれる。
ここは あたしのバイト先。
クレープ屋です。
そんで 目の前の男はバイト仲間の新井 晴(あらい はる)。
同じ年です。
「いきなり来るからバイト入ってるのかと思ったら、彼氏とケンカですか。
ほんっと、バッカじゃねぇの?」
「バカバカうるさいよ!!
ていうか、ケンカじゃないから!!」
「だよな。お前が勝手に嫉妬して逃げ出しただけだもんな。
バカだろ。バカだろお前」
「その通りだけど、なんかムカつく………っ!!」
あたしはクレープを頬張った。
あれから直ぐに帰りたくなくてバイト先まで来てしまった。
晴の言うとおり、あたしはバカかもしれない。
いったい、明日から どんな顔して会えばいいんだろう。
あたしはクレープを頬張ったままため息をついた。
「だいたい、彼氏なんだから堂々としてればいいだろうが。
幼なじみより彼女を優先します、みたいな可愛いヤツだろ?結城くんって」
「堂々となんか出来ないって。あたし可愛くないし」
「確かに彼氏より可愛くないわな」
あたしは晴にクレープを投げつけた。
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