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結城は、あたしを好きでいてくれてるのかな?
まるで あたしだけが好きみたい。
本当に情けで付き合ってもらってるみたいで、あたし辛いよ。
あたしはカバンの中から一通の手紙を取り出した。
『結城くんはアンタなんか好きじゃないんだよ』
『優しいから付き合ってあげてるんだよ』
そんな言葉がズラリと並んでいる。
わかってる。
結城は優しいって知ってるよ。
涙で文字がにじむ。
別れた方が結城にとっていいのは わかってる。
だけど 手放したくない。
ワガママだよ。
どんだけ結城を困らせたら気が済むの?
あたしは道にしゃがんだ。
手紙で顔を隠しながら。
こんな手紙を持って帰るなんか、どうかしてる。
ほかせばいいのに。
だけど、あたしにくれた手紙だから。
捨てようにも捨てられない。
お人好しって言うのかな。
あたしは涙を流しながら手紙をしまった。
その時
‐グイッ‐
後ろから 物凄い勢いで腕を引っ張られた。
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