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次の日。
一睡も出来なかった……。
あたしは赤く腫れている目を鏡で見てため息をついた。
こんな目で、学校行きたくないな……。
そう思ってたら
‐コンコン‐
扉を叩く音がした。
「千夏?そろそろ起きないと遅刻するわよ」
お母さんの声にまたため息をつく。
行きたくない。
その気持ちの方が大きくて
「お母さん、あたし気分悪いから学校休む」
「そうなの?じゃあ、ちゃんと学校に電話するのよ。
お母さんとお父さん仕事だからもう出るから」
「わかった」
あたしは仮病を使って休む事にした。
目が腫れているのもあるけど
本当は もう一つ理由がある。
結城に会いたくない。
昨日、あんな別れ方して結城が怒ってないわけない。
あたしは学校に電話するために携帯を手にした。
「あの、綾瀬ですけど」
「どうしたの?綾瀬さん」
電話から担任の声がする。
「ちょっと体調が悪いので、今日は休みます」
「そう。お大事にね?」
「はい。ありがとうございます」
そう言って電話を切った。
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