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あたしは しばらく公園から動けなかった。
あの人は なんて眩しいんだろう。
自分の好きな人の彼女に あそこまで笑顔でいられるなんて。
きっと あたしじゃ出来ない。
「先輩は外だけじゃなくて
中も綺麗なんだ……」
地面に水滴が落ちる。
あたしは
外も中も醜く汚い悪魔だ。
先輩や結城のように
外も中も綺麗で優しい天使は あたしのような悪魔といちゃいけない。
天使は天使といる方が良いに決まってる。
なのに悪魔は天使を手放せないで 天使を暗い暗い世界に引きずり込もうとしてる。
最低
最低……
「うっ……くっ…」
涙が出てくる。
いったい どれだけ泣けば気が済むんだろう。
あたしは どうすればいい?
静かな公園に あたしの泣き声だけが響いていた。
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