先輩の本音

11/11
2415人が本棚に入れています
本棚に追加
/123ページ
あたしは しばらく公園から動けなかった。 あの人は なんて眩しいんだろう。 自分の好きな人の彼女に あそこまで笑顔でいられるなんて。 きっと あたしじゃ出来ない。 「先輩は外だけじゃなくて 中も綺麗なんだ……」 地面に水滴が落ちる。 あたしは 外も中も醜く汚い悪魔だ。 先輩や結城のように 外も中も綺麗で優しい天使は あたしのような悪魔といちゃいけない。 天使は天使といる方が良いに決まってる。 なのに悪魔は天使を手放せないで 天使を暗い暗い世界に引きずり込もうとしてる。 最低 最低…… 「うっ……くっ…」 涙が出てくる。 いったい どれだけ泣けば気が済むんだろう。 あたしは どうすればいい? 静かな公園に あたしの泣き声だけが響いていた。 .
/123ページ

最初のコメントを投稿しよう!