じいちゃんとフジ

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「やりたい事なぁ、今は別に無いわぁ」 「それはあかんぞ夏輝。今のうちになんかしら目標を作れ。でないと高校生活なんかマッハで終わるぞ、マッハや!」 そう言いながらじいちゃんはまたもや枝豆をポンと飛ばしたが、今度はキャッチに失敗して枝豆は勢い良くテーブルの下へ転がって行った すかさずフジがバシッと捕獲し嬉しそうに食べる 「あ~もぅ、おじいちゃん! またフジが食べちゃったじゃない」 美津子がそれに気づいてたしなめる 「すまんすまん!」 じいちゃんはガハハと笑ってビールを飲んだ 「夏輝、夏休みが終わるまでに自分が何をしたいのか考えてみろや。じいちゃんからの宿題や」 「わかった~」 やりたい事ってどうやって決めるのかサッパリ検討もつかないまま夏輝は柔らかいフジの背中を撫でていた
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