雨の日の思い出

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見ると小さな板切れに子猫が必死にしがみついて波間を漂っている 「難儀なやっちゃな~」 すぐそばにあったタモですくい上げる 「結構な距離漂流したなぁ、港はだいぶ先やぞ~」 仲間が笑いながらネコをつつく ネコは雨と海水でビショビショになりながらまだ板に張り付いている 小さな体の尖った毛先が寒さと恐怖で小刻みに震えていた 「難儀なやっちゃなぁ~」 再び呟いてネコを板からひっぺがすと、今度はじいちゃんに張り付いてしまった
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