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「夏かぁ~、確かにあいつは夏が好きやったからな」
頷くように小さなひまわりが風に揺れた
美津子が祈るような眼差しで男を見ている
「名前なぁ~」
色んな事を考えながら男がバイクのハンドルを動かしたその時、まるで合図を送るかの様にバイクのミラーが夏の太陽を切り取ってキラリと輝いた
「そや!夏輝!夏輝はどうや美津子さん?
己の光で周りを明るく照らす太陽みたいな男になれる様になっ!」
「夏輝…素敵な名前です!
ありがとうございます。
今日からこの子は夏輝です!」
美津子の顔がパッと明るく輝いた
こうして小さな命は“夏輝”と名付けられ、祖父と母の愛を受けてすくすくと成長していく事になる
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