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さらさらとした砂浜がやがて水に濡れて足の裏をくすぐる
突き進むと夏輝のもやっとした気持ちを洗い流すように元気な波がぶつかってきた
夏輝のサーフィンの師匠はじいちゃんだ
この町は子供の頃から波乗りを趣味にする人も多いのだが、その中でもじいちゃんは誰よりも上手く乗りこなす
「ええか、夏輝、波の気持ちにならな上手いこと乗られへんねん。
お前がかっこ良く乗りたいと思ったら波と気持ちを合わせるんや」
「そんなんわからへん!波に気持ちなんか無いわ!」
五歳の夏輝がふてくされて叫ぶ
「それは夏輝が気付いてないだけや、波がお辞儀したくなるなと思うタイミングを見抜け。
数をこなせば分かるわ」
軽やかに波を乗りこなすじいちゃんを横目に何度も練習した結果、夏輝もすっかり一人前の波乗りになった
ただ68歳現役のじいちゃんには今でもかなわないが
そんな事をふと思い出しながら波に向かった
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