憧れていた制服

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「あれ~~~」 亘は鏡に向かい奮闘中だった。 今は四月。四月といえば入学式。 今日はまさに亘の中学の入学式の日だった。 ―ピンポーン― 玄関のチャイムがなり、亘の母がドアを開けた音と話し声が聞こえてきた。 「おはようございます。」 「おはよう芦川くん。ご入学おめでとう!制服よく似合ってるわー♪」 「ありがとうございます。」 「亘はまだかしら…亘ー。」 「はぁい。美鶴ちょっと来てー!」 部屋からから亘が叫ぶ。 「まったく…いつまで芦川君に頼るつもりかしら。ごめんなさいね」 「いえ、おじゃまします」 美鶴は亘の母に微笑んで部屋へと上がって行った。 「亘?おはよう」 美鶴が部屋へ入ると、亘は鏡の前でネクタイと苦戦していた。 美鶴と亘が今日から通う学校の制服は公立の中学にしては珍しく、学ランではなくブレザーなのである。 「おはよう、ミツルー ネクタイが…助けてー」 そんな亘を見て美鶴は苦笑しながら 亘のネクタイに手を延ばした。 ………………………………
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