2人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ~~~」
亘は鏡に向かい奮闘中だった。
今は四月。四月といえば入学式。
今日はまさに亘の中学の入学式の日だった。
―ピンポーン―
玄関のチャイムがなり、亘の母がドアを開けた音と話し声が聞こえてきた。
「おはようございます。」
「おはよう芦川くん。ご入学おめでとう!制服よく似合ってるわー♪」
「ありがとうございます。」
「亘はまだかしら…亘ー。」
「はぁい。美鶴ちょっと来てー!」
部屋からから亘が叫ぶ。
「まったく…いつまで芦川君に頼るつもりかしら。ごめんなさいね」
「いえ、おじゃまします」
美鶴は亘の母に微笑んで部屋へと上がって行った。
「亘?おはよう」
美鶴が部屋へ入ると、亘は鏡の前でネクタイと苦戦していた。
美鶴と亘が今日から通う学校の制服は公立の中学にしては珍しく、学ランではなくブレザーなのである。
「おはよう、ミツルー
ネクタイが…助けてー」
そんな亘を見て美鶴は苦笑しながら 亘のネクタイに手を延ばした。
………………………………
最初のコメントを投稿しよう!